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相続放棄したら空き家はどうなる?管理義務は残る?

この記事でわかること

  • 相続放棄の基本的な仕組みと期限がわかる
  • 相続放棄しても管理義務が残るケースがあることがわかる
  • 放棄する前に考えておきたい選択肢がわかる

越前市・鯖江市の空き家のご相談を無料で受け付けています。読みながら「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、お問い合わせからいつでもどうぞ。

「実家、正直いらないんだけど。相続放棄すれば、もう関係なくなるよね?」

古くて手のかかる実家を相続することになったとき、多くの人が最初に考えるのがこれです。
「放棄すれば無関係になれる」——そう思いたい気持ち、すごくよく分かります。

結論からいうと、これは半分正解で半分注意が必要です。
相続放棄をしても、状況によっては管理義務が残ってしまうことがあります。

今回は、相続放棄の基本と、2023年の民法改正でどう変わったかを整理します。

家庭裁判所への提出書類のイメージ
相続放棄には期限があります。まずは基本を押さえておきましょう

相続放棄の基本と、期限に注意

相続放棄とは、亡くなった方の財産(プラスの財産もマイナスの財産も含めて)を、まるごと受け継がないと決める手続きです。
借金が多い場合や、実家の管理が負担になりそうな場合によく使われます。

ここで大事なのが期限です。
相続放棄は、自分が相続人になったと知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申し立てる必要があります(参考:裁判所公式サイトより。2026年時点)。

「まだ決めきれない」という場合は、家庭裁判所に申し立てることで、この期間を延ばしてもらえることもあります。
遺産と借金のどちらが多いか調べるのに時間がかかる、疎遠だった実家の書類がなかなか揃わない——こうした事情があれば、期間の伸長が認められる可能性があります。

3ヶ月はあっという間なので、「相続放棄するかも」と少しでも思ったら、早めに動き始めることをおすすめします。

また、相続放棄は一度手続きが完了すると、原則として撤回できません。
「やっぱりやめたい」と思っても、後戻りは基本的にできないと考えておいてください。

ちなみに、相続には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3つの選択肢があります。
限定承認は、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産(借金など)も引き継ぐという方法です。
借金がどれくらいあるか分からず不安な場合に使われますが、相続人全員で足並みをそろえて申し立てる必要があるなど、手続きがやや複雑です。
迷ったときは、この選択肢も含めて専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄しても、管理義務が残るケースがある

ここが今回いちばん伝えたいポイントです。

2023年4月1日に施行された民法改正により、相続放棄後の管理義務のルールが整理されました(参考:各種弁護士・行政書士事務所の解説より。2026年時点)。

改正後のルールでは、相続放棄をした人が管理義務(保存義務)を負うのは、放棄の時点でその家を「現に占有」している場合に限られます。
「現に占有」とは、実際にその家に住んでいた、あるいは事実上そこを管理していた、という状態を指します。

つまり——

  • 実家に同居していた人が相続放棄した場合:管理義務が残る可能性があります
  • 遠方に住んでいて、実家には長らく関わっていなかった人が相続放棄した場合:管理義務は発生しないとされています

この改正前は、相続人全員が管理義務を負うと解釈されるケースもあり、「関わっていないのに義務だけ残る」という不安の声がありました。
改正後は、実際にその家と関わっていたかどうかで判断されるようになったので、遠方在住の相続人にとってはわかりやすくなったといえます。

ただし、義務が残る場合の管理の程度は、「自己の財産と同一の注意」とされていて、他人の物を預かるときのような厳格な注意義務ではありません。
かみ砕いていうと、「自分の持ち物を扱うのと同じくらいの注意を払っておけばいい」というイメージです。
プロの管理会社のような徹底した管理までは求められませんが、明らかに放置して被害を広げてしまうと、責任を問われる可能性が出てきます。

とはいえ、まったく放置していいわけでもないので、状況に応じた対応が必要です。
最低限、庭木が隣家に越境していないか、屋根や外壁が崩れかけていないか、といった点は定期的に確認しておくと安心です。

管理義務は、いつまで続くのか

管理義務が発生した場合、それがずっと続くわけではありません。

  • 他に相続人がいる場合:その人に財産を引き渡すまで
  • 相続人が誰もいない場合:家庭裁判所で「相続財産清算人」を選んでもらい、その人に引き渡すまで

相続財産清算人とは、相続人のいない財産を整理する役目の人で、家庭裁判所への申し立てによって選ばれます。
この手続きには、予納金という形で一定の費用がかかることが一般的です。

「自分で管理を続けるのも大変だし、かといって清算人を立てる費用も気になる」という方は、早めに司法書士や弁護士に相談して、見通しを立てておくと安心です。

具体的にどんな場面で管理義務が問題になるかというと、たとえば「実家に同居していた人が相続放棄したのに、家が傷んで隣家に被害を与えてしまった」というようなケースです。
このとき、管理義務を怠っていたと判断されれば、責任を問われる可能性があります。

一方で、「県外に住んでいて、実家にはここ十年帰っていない」という人が相続放棄する場合は、そもそも「現に占有」していたとはいえないため、管理義務自体が発生しないと考えられます。
自分がどちらに近いかは、実際の関わり方によって変わるので、判断に迷う場合は専門家に確認するのが確実です。

全員が放棄したら、実家はどうなるのか

人の気配がなくなった空き家の玄関先
誰も相続しない家は、最終的に国の手続きに委ねられます

きょうだい全員が相続放棄した場合、実家は最終的に「相続財産清算人」による手続きを経て整理されることになります。

流れとしては、家庭裁判所が清算人を選任し、その清算人が財産を調査・管理し、債権者への支払いなどを経たうえで、最終的に国庫に帰属する(国のものになる)、というのが一般的なルートです。

このプロセスには時間も費用もかかるため、「とりあえず全員放棄すれば手間なく片付く」というわけではない点は知っておいたほうがいいでしょう。

相続そのものの進め方全体は、空き家を相続したら何から始める?やることを順番に整理にまとめています。

放棄する前に、考えておきたいこと

だからこそ、放棄する前に一度立ち止まって考えたいことがあります。

  • 本当にマイナスの財産しかないか:借金だけでなく、預貯金や他の資産も含めて、トータルで見るとプラスになる場合もあります
  • 家自体に活用の余地がないか:古い家でも、立地や状態によっては活用できる可能性があります。「使い道がない」と決めつける前に、一度確認してみる価値はあります
  • 管理だけを誰かに任せる方法はないか:放棄せずに相続したうえで、管理の負担だけを軽くする選択肢もあります
  • 一部のきょうだいだけが放棄した場合、どうなるか:自分だけ放棄しても、他のきょうだいが相続する場合は、その人が家を引き継ぐことになります。放棄する前に、他の相続人とも話し合っておくとトラブルを防げます

「もう関わりたくない」という気持ちが強いときほど、一度冷静に選択肢を並べてみることをおすすめします。
借金の調査や活用の可能性の確認には時間がかかることもあるので、3ヶ月の期限を意識しながら、早めに動き出すのが安心です。

「土地だけ国に引き取ってもらう」制度もある

もうひとつ、知っておきたい選択肢があります。
2023年4月に始まった**「相続土地国庫帰属制度」**——相続した土地を、国に引き取ってもらえる制度です(参考:法務省・政府広報オンライン。2026年時点)。

「全部放棄」との大きな違いは、他の財産は相続したまま、いらない土地だけを手放せること。
預貯金は受け取りつつ、遠くの山林だけ国へ、という使い方ができます。

ただし、条件と費用がなかなかシビアです。

  • 建物が建っている土地はダメ。実家を引き取ってもらうには、先に解体して更地にする必要があります
  • 審査手数料が土地1筆あたり14,000円(審査に落ちても返ってきません)
  • 引き取りが認められたら、負担金が原則20万円(土地の種類・広さで変わります)

解体費まで含めると、それなりの出費になります。
「タダで国が引き取ってくれる」制度ではない点は、期待しすぎないよう注意してください。
それでも「管理し続ける未来」と比べてどちらが軽いか、選択肢のひとつとして知っておく価値はあります。

福井で相続放棄を考えるときに

福井県内、とくに越前市・鯖江市のような地域では、実家に田畑や倉庫が付いていることも多く、建物以外の財産についても考慮が必要になります。

農地が絡む場合は、通常の不動産とは別の制限があるので注意が必要です。
くわしくは、田んぼ付きの実家を相続したら?福井の農地の売る・貸す・転用にまとめています。

相続放棄をするかどうかの判断は、こうした財産全体を見渡したうえで決めるのがおすすめです。

また、雪国特有の事情として、豪雪期に空き家が倒壊しかけたり、屋根の雪が隣家に落ちたりするリスクも考えておく必要があります。
管理義務が残っている状態でこうした被害が起きると、対応を求められる可能性があります。
放棄するかどうかを迷っている間も、最低限の見回りだけはしておくと安心です。

まずは期限内に、専門家へ相談を

相続放棄は期限のある手続きなので、迷っている時間はそれほど多くありません。
まずは司法書士や弁護士に相談して、自分のケースでは管理義務がどうなるのか、確認することをおすすめします。

こしのやでは、越前市・鯖江市を中心に、空き家の活用・管理のご相談を受け付けています。

  • 活用:相続する前提であれば、古い家でも活用できないか一緒に検討します
  • 管理:相続したものの手が回らない場合の、定期巡回もお任せいただけます

「放棄すべきか迷っている」という段階でも、気軽に声をかけてください。

「うちの空き家の場合はどうなんだろう?」と思ったら

こしのやは福井県の越前市・鯖江市を中心に、空き家の活用・管理のご相談を受け付けています。「まだ何も決めていない」段階でも大丈夫です。

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