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空き家の活用

空き家を物置・倉庫にするのはアリ?落とし穴も

この記事でわかること

  • 空き家を物置・倉庫として使うのがアリかどうかがわかる
  • 固定資産税の優遇が外れる・火災保険の扱いが変わるなどの落とし穴がわかる
  • 建物が傷むリスクと、使うときの注意点がわかる

「貸すのも売るのも踏ん切りがつかない。とりあえず物置にでもしとくか」

空き家の使い道に迷ったとき、ここに落ち着く方、けっこう多いと思います。
売るのも貸すのも決心がいるけど、物置なら今日からでも始められる。

ただ、この手軽さがクセモノで、じつは足元に、ちょいちょい落とし穴があります

「荷物を置くだけだし、別に大丈夫でしょ」と油断していると、税金や保険のところで、あとから地味に痛い目を見ることも。

今回は、空き家を物置・倉庫にするメリットと、つい見落としがちな注意点を整理します。

荷物の収納に使われている空き家の部屋
「とりあえず物置」は手軽。でも、いくつか知っておきたいことが

物置・倉庫として使うメリット

落とし穴の話に入る前に、まずはいいところから。空き家を物置・倉庫に使うと、こんな利点があります。

  • 大きな決断を先送りにできる。売る・貸すを今すぐ決めなくていい
  • 荷物の置き場として無駄にならない。家財や季節物の収納にちょうどいい
  • まるっきりの空き家よりは、まだ手が入る。出入りがあるぶん、傷みに気づきやすい

なかでも大きいのが、**「人の出入りが生まれる」**こと。
誰も来ない空き家は、湿気と静けさのなかで一気に老けこみます。

でも、荷物を取りに月イチでも通えば、ついでに窓を開けて空気も入れ替わるし、雨漏りやカビにも早く気づける。
「とりあえず物置」は、完全放置よりはずっとマシな一手ではあるんです。

でも、ここが落とし穴

ここからが本題です。
「ただ荷物を置くだけでしょ」と気軽にかまえていると、足をすくわれかねない注意点が、いくつかあります。

① 使い方によっては、固定資産税が上がることも

人が住む家の土地には、**「住宅用地の特例」**という、固定資産税をぐっと軽くしてくれる優遇があります。

土地のうち200㎡までは課税標準が6分の1、それを超える部分も3分の1まで下げてもらえる、けっこう太っ腹なしくみです。

ただし、この優遇はあくまで「人が住む家の敷地」が対象。
住まいとして使うのをやめて、まるごと倉庫・物置にしてしまうと、住宅とは認められず、優遇がスッと外れて税金が上がることがあります。

「荷物を置いただけなのに、なぜか税金が増えた」——これ、知らないと地味にこたえる落とし穴です。

実際の扱いはケースバイケースなので、市町村の資産税の窓口に確認するのがいちばん確実です。

(参考:総務省「固定資産税制度について」住宅用地の特例。2026年時点)

② 火災保険の扱いが変わることがある

火災保険って、建物の使われ方によって種類が分かれているんです。
「人が住む家」から「人が住まない倉庫」に変われば、保険の区分もそれに合わせて衣替え。
家のときの保険のまま、というわけにはいかないことがあります。

やっかいなのが、ここを黙ったまま放置するパターン。
いざ火事になったときに、「話が違いますね」と保険が一円も下りない、という最悪のオチが待っていることもあります。

毎年きっちり保険料を払ってきたのに、本番でシャッターを下ろされる。なんてことになりかねません。

なので物置・倉庫として使うなら、保険会社に**「住まいじゃなく、物置として使います」とひと言伝えておく**。
電話一本の手間で、後々の地獄を一個つぶせます。

→ 空き家の火災保険そのものの話は、空き家の火災保険、入らないと損する3つの理由でくわしく書いています。

③ 結局、建物はじわじわ傷んでいく

荷物を置くだけだと、水まわりや細かい手入れは、どうしても後回しになりがちです。
「住んでないし、まあいいか」と。

おまけに荷物がぎっしり詰まっていると、その陰でこっそり進む雨漏りやカビに、なかなか気づけません。
荷物が、傷みの目隠しになってしまうわけです。

そうして「物置だし」と油断しているうちに、いざ貸そう・人を住まわせようとなったときには、建物がすっかりくたびれてヨボヨボに——そんな展開も、十分あり得ます。
置いてただけのつもりが、しっかり老けこんでいる。
家って、ほんとに油断ならない生きものです。

コンテナ倉庫を「置くだけ」も要注意

「家はそのまま、庭にコンテナをドンと置いて倉庫にしよう」——そう考える方もいます。
たしかに、置くだけで収納がひとつ増える、お手軽な裏ワザに見えます。
が、これがまた、見た目どおりにはいかないんです。

国土交通省は、**「随時かつ任意に移動できないコンテナは、建築基準法上の『建築物』にあたる」**とはっきり示しています。

倉庫として置きっぱなしで使うコンテナは、たとえ地面に固定していなくても建築物あつかいになり、設置前に建築確認を受けて、確認済証の交付がないと置けない、というのが原則です。

「ただの箱でしょ」と気軽に置いたら、あとで「それ、違反建築物ですよ」と役所からツッコミが入り、是正指導や是正命令の対象に——そんなケースも実際にあります。

ただ置くだけのつもりが、しっかりルールが絡んでくる。
不動産関係はこういう「えっ、そうなの?」が本当に多い分野です。
置く前に、市町村の建築関係の窓口にひと声かけておくと安心です。

(参考:国土交通省「コンテナを利用した建築物の取扱いについて」。2026年時点)

庭先に設置された収納コンテナ倉庫
庭にコンテナを置く場合も、建築のルールが関わることがあります

「物置」は、あくまで一時しのぎと考える

ここまで読んでもらえば分かるとおり、物置・倉庫としての活用は、「これでずっといこう」には向いていません

税金にも保険にも気を配らないといけないし、その間も建物はじわじわ老けこんでいく。
手間のわりに、家はちっとも報われません。
「とりあえずの置き場所」としては悪くないけれど、あくまでつなぎの一手、ピンチヒッターくらいに考えておくのが現実的です。

おすすめは、物置として使いつつ、片すみで**「で、最終的にどうするか」も並行で考えておく**こと。

  • いずれ人に貸して活用する
  • 荷物を片付けて、人が住める状態に戻す
  • 当面は管理サービスに見回りを任せる

——こんな次の一手を、頭のすみに置いておく。
それだけで、「気づけば何年も物置のまま、中身は減らず、建物だけボロボロ」という、いちばんもったいない結末をしっかり避けられます。

「物置のまま塩漬け」より、活用という手も

「物置にするか、貸すか、どうするか、決めきれない」——その状態のままで大丈夫です。
大事なのは、まず今の家がどんな状態かを知ること
傷み具合しだいで、向いている道も変わってきますからね。

ただ、ここまでの話をまとめると、物置はあくまで「つなぎ」。
だったら、その先の本命として人が住む状態に戻すことも、ぜひ選択肢に入れてほしいんです。

人が住めば、税金の優遇も保険の悩みもスッキリするうえ、建物の傷みもぐっとゆるやかになります。

こしのやでは、越前市・鯖江市を中心に、**空き家の「活用」と「管理」**をやっています。

  • 活用:家をこちらでお借りして、人が住む状態に戻します。荷物の片付けから修繕、管理までまるっとこちらで対応。そのうえでオーナーさんには毎月の賃料が入ります。物置として塩漬けにするより、ずっと前向きな一手です。
  • 管理:倉庫として使っているなら、それなりに人の出入りはあるはず。とはいえ、遠方でたまにしか来られない方には、定期的な見回りで傷みの早期発見をお手伝いします。

「とりあえず物置にしてるけど、この先どうしよう」という段階でまったく大丈夫です。
まずは現状を一緒に整理するところから、気軽に声をかけてください。

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