「親の家が空き家になったけど、どうしたらいいか分からない」
「相続したはいいけど、とりあえずそのままにしてある」
今回は、ちょっと耳の痛い話が続くかもしれません。
でも大事なことなので、最後まで読んでもらえたらうれしいです。
越前市が2025年度に調べたところ、市内の空き家は1,487戸。
前回(2020年)の1,346戸より増えていて、市が立てた「5%空き家を減らす」目標は達成できませんでした。
空き家は、いま福井で(全国的にもですが)確実に増え続けています。
「とりあえず一旦置いておこう」という気持ち、すごく分かります。
誰だって、急に「さあどうする」と言われても困りますよね。
ただ、ひとつだけ正直にお伝えしておきたいことがあります。
空き家は「置いておく」だけで現状維持できるものではない、ということです。
ほっておくほど、じわじわ状況が悪くなっていきます。
今回は、放置すると具体的に何が起きるのかを、4つにまとめました。
先に結論から言うと、①税金が最大6倍 ②建物が傷む ③近所トラブル ④売り時を逃す——この4つです。
① 固定資産税が最大6倍になることがある
空き家をそのままにしていると、自治体(越前市、鯖江市など)から「特定空き家」に指定されることがあります。
そうなると、これまで受けていた税金の優遇(住宅用地の特例)がはずれます。
結果、固定資産税が最大6倍になることも。
誰も住んでいない、活用もしていない家。
そのために、税金だけがしっかり増えていく——なかなかしんどい話です。
「管理が面倒だから後回し」にしているうちに、毎年の負担がじわじわ重くなっていきます。
越前市・鯖江市あたりでも、「知らないうちにそうなっていた」という話はちらほら聞こえてきます。
しかも2023年の法改正で、対象が広がりました。
倒壊寸前レベルの「特定空き家」だけでなく、窓が割れたまま・草が伸び放題といった「管理不全空き家」も、勧告を受けると税金の優遇が外れるようになったんです(参考:国土交通省・空家等対策特別措置法。2026年時点)。
「まだうちはボロボロじゃないから大丈夫」が、通用しにくくなってきています。
→ 6倍になるまでの流れと避け方は、空き家の固定資産税6倍はいつから?流れと避け方を解説でくわしく書いています。
しかもこれ、ただの脅し文句ではないです。
越前市は実際に、傷んだ空き家の持ち主へ「直してください」と勧告を出しています。
それでも放っておかれた土地には、税金の優遇をはずすという対応まで取っています。
さらに危険な家は「特定空き家」に指定して、市が強制的に解体することも(その費用は持ち主に請求されます)。
実際に越前市では、これまでに7件が特定空き家に認定されています(越前市の空き家対策計画 第3期計画より)。
※2026年6月追記:2026年5月末に鯖江市で2軒、解体撤去の行政代執行をすることが決まったみたいです。
費用は合わせて1,452万円。洒落にならない金額ですね。(福井新聞社より)
② 家の傷みがどんどん進む
人が住んでいない家は、想像以上に早く傷みます。
「人がいないんだから、むしろ傷まないのでは?」と思いきや、逆なんです。
家は、人が住んで風を通してこそ長持ちするようにできています。
使われない家は、休んでいるわけではありません。ただ静かに弱っていきます。
人が住まなくなった家は、気づかないうちにじわじわ傷んでいく
- 風通しが悪くなって、かびや腐食が進む
- 雨漏りやシロアリの被害に、誰も気づけない
- 庭だけがのびのび育って、外から見ても「荒れた家」に(草木は、誰も世話しなくても元気いっぱいです)
「10年前はまだきれいだったのに、久しぶりに帰ったら雨漏りで床がぶよぶよ」——空き家まわりでは、あるあるの話です。
そして福井の空き家には、もうひとつ強敵がいます。雪です。
- 雪の重みで、屋根や雨樋が少しずつゆがむ
- 冬の冷え込みで、水道管が凍って破裂することがある
- 湿った雪と梅雨のダブルパンチで、木の部分が傷みやすい
雪国の空き家は、ワンシーズンほったらかすだけでも、着実にダメージが積み上がります。
→ 冬場の水道管の話は、空き家の水道・電気は止める?残す?判断の目安でも書いています。
早めに動けば活用できたはずの家も、放置しているうちに手の打ちようがなくなってしまう。
空き家は、時間が経つほど選べる道が一本ずつ減っていきます。
③ 近所への迷惑・最悪は賠償責任も
管理が行き届かない空き家は、まわりへの迷惑や、法的なリスクにもつながります。
- 庭木の枝が隣の家に越境して、ご近所トラブルになる
- 屋根や外壁がはがれ落ちて、通りかかった人に当たる
- いつのまにか不法侵入や不法投棄の場所になってしまう
これ、大げさな話じゃないですよ。
越前市が市民に「空き家で困っていること」を聞いたアンケートでも、いちばん多かったのが**「庭木が隣にはみ出してくる」。
次が「倒れそうで危ない」「虫や動物のすみかになる」**。なかには「火事になりそうで怖い」という声もありました(越前市の空き家対策計画より)。
放置された空き家は、まわりの人にとって「毎日目に入る不安のタネ」になってしまうんです。
しかも厄介なことに、こうした責任は「遠くに住んでいて知らなかった」では済みません。
所有者である限り、責任はずっとついて回ります。
最悪のケースでは、損害賠償に発展することもあるんです。
→ ご近所トラブルを未然に防ぐコツは空き家の苦情・近所トラブル対策。こじれる前にできることに、トラブルの筆頭・庭木の話は空き家の庭木、放置するとどうなる?トラブルの元と対策にまとめています。
④ 売りたい・貸したいときに手遅れになる
管理されない庭木が道路や隣地に越境し、近所トラブルの原因になることも
状態が悪くなった空き家は、いざ売ろうとしても買い手がつきにくくなります。
不動産会社に相談したら「解体費のほうが高くついて、売っても赤字ですよ」と言われたり。
そもそも取り扱い自体を断られるケースも増えています。
「いつか売ればいい」「その気になればなんとかなる」。
そう思っているうちに、その「いつか」の選択肢が、一個ずつ静かに消えていきます。
しかも「いつか」は、待っていても向こうからは来てくれません。
むしろ、放っておくほど遠ざかっていく。なかなかタチの悪い相手です。
おまけに、置いておくだけでもお金は出ていきます。
固定資産税、火災保険、たまの草刈り——なんだかんだで、空き家は持っているだけで年に数万〜十数万円かかるのが相場です。
→ 実際にいくらかかるかは、空き家の維持費は年間いくら?福井の一戸建てで計算してみたで計算しています。
「まずい」と思ったら、最初にやる3つのこと
とはいえ、いきなり「売る・貸す・壊す」の大決断をする必要はありません。
今週末にでもできる、小さな3つから始めてください。
- 現状を見る。まず家の今の状態を知る。自分で行けないなら、写真だけでも誰かに撮ってもらう
- 保険を確認する。住んでいた頃の火災保険のままだと、いざというとき下りないことがあります(→ 空き家に火災保険は必要?入らないと損する3つの理由)
- ご近所にひとこと。「空き家にしてます、何かあれば連絡ください」と伝えて、連絡先を渡しておく
この3つをやっておくだけで、「ある日突然、大ごとになっていた」という最悪の展開は、かなり防げます。
どうすればいいの?まずは話を聞いてほしい
「何から始めればいいか分からない」——それが、いちばん正直なところだと思います。
大丈夫です。むしろ、その「分からない」うちに声をかけてもらうのが一番いいんです。
こしのやでは、こんなことを一緒にやっています。
- 今の物件の状態を確認:活用できそうかどうか見立てます
- 活用サポート:こしのやが直接借り受けて、再生・活用します。毎月の賃料をオーナーさんにお支払いします
- 管理サービス:遠くて見に行けない方のための定期巡回プランもあります
- 売却・手放したい場合のご相談:「とにかく手放したい」という方は、状況に応じて活用のご提案や地元の信頼できる業者のご紹介をします(紹介料等は一切いただきません)
「まだ何も決まっていない」でも全然OKです。
決まっていないからこそ、早めに声をかけてもらえると、一番いい方向を一緒に探せます。
まとめ
空き家をほっておくのは「現状維持」ではありません。
「ゆっくり悪化していく状態を、静かに選び続けている」ということです。
何もしていないようで、実は時間がしっかり仕事をしています。
しかも、こちらが休んでいる日ほど、時間は休まず働く。皮肉なくらいの働き者です。
| リスク |
内容 |
| 固定資産税 |
特定空き家に指定されると最大6倍 |
| 建物の傷み |
かびやシロアリ、雨漏りが進む |
| 近所トラブル |
最悪は損害賠償責任も |
| 選択肢がなくなる |
売却・活用が難しくなっていく |
「どうしようかな」とふと思った、まさにそのタイミングが、動き出すのにいちばんいいときです。気軽に声をかけてくださいね。
「うちの空き家の場合はどうなんだろう?」と思ったら
こしのやは福井県の越前市・鯖江市を中心に、空き家の活用・管理のご相談を受け付けています。
「まだ何も決めていない」段階でも大丈夫です。